ヘルペスは、ヘルペスウイルスに感染する事で性器周辺や口唇周辺、皮膚などに水疱や潰瘍などの症状が現れます。
幼少期に感染する事が多い水疱瘡もヘルペスウイルスに分類されている水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症します。
性病の性器ヘルペスは、100種類以上確認されているヘルペスウイルスのαヘルペスウイルスに分類されている単純ヘルペス2型に感染する事で発症します。
オーラルセックスの普及により単純ヘルペスウイルス2型が口唇周辺や咽頭に感染するケースに加え、逆に口唇ヘルペスを発症させる単純ヘルペスウイルス1型が性器に感染するケースも増加しています。
ヘルペスウイルスは、現在の抗ウイルス薬では完全に死滅させる事が出来ず、1度感染すると一生涯ヘルペスウイルスの無症状病原体保有者となってしまいます。
疾患や過剰なストレスなどにより免疫力が低下すると特に性器ヘルペスは再発を繰り返します。

ヘルペスは、ウイルスのDNAをタンパク質で包み込んだカプシドを感染患者の細胞に侵入させ、カプシドに内包されているDNAを感染患者の細胞核と融合させ増殖するだけで無く、感染患者の細胞から遊離拡散される際に感染患者の細胞をウイルスの外膜エンベロープとしてまとってしまうので、特に感染患者の神経細胞と親和性が高くなってしまいます。
その為、ヘルペスウイルスの増殖に向かない体内環境となる抗ウイルス薬の服用時や免疫力の高い時には神経節で休眠状態となり、医薬効果が薄れた時や免疫力の低下時などに再活性化し再発を何度と無く繰り返します。
性器ヘルペスは、1年間に何回も再発を繰り返す感染患者も少なく無く、1年間に6回以上再発を繰り返す感染患者に対してはバルトレックスによる再発抑制治療が保険適用で行われています。

性器ヘルペスは、初感染時にはヘルペスの典型的水疱や潰瘍以外に鼠径リンパ節の腫れや全身の倦怠感を伴う38度を超える発熱症状を発症する感染患者もいます。
再発時には、発熱や鼠径リンパ節の腫れなどの症状が発症するリスクは非常に低くなるだけで無く、水疱や潰瘍が発症する患部も限定的となり軽症で済む事が多くあります。
再発を繰り返すと再発の前兆を感じ取れる様になる感染患者が多いとされ、再発に備えてバルトレックスやゾビラックスを常備している感染患者も多くいます。

ヘルペスウイルスはバルトレックスで治療

ヘルペスの治療には、バルトレックスやゾビラックスなどの抗ウイルス薬を処方する薬物療法が行われ、多くの医療機関でバルトレックスをヘルペス治療の第一選択薬として処方しています。
バルトレックスによるヘルペス治療は、一般的にバラシクロビル500mgのバルトレックス1日2回の服用を症状によって5日~10日継続します。
バルトレックスは、体内の循環効率や薬物の活性化率を向上させる為にゾビラックスの主成分アシクロビルに必須アミノ酸のバリンをエステル結合させたバラシクロビルを主成分とした抗ウイルス薬です。
ゾビラックスに比べて低用量でも同程度の医薬効果が得られ、1日あたりの必要服用回数が少なく治療を継続しやすくなっています。

バルトレックスは、小腸から吸収されたのちに肝臓の加水分解酵素によってアシクロビルとバリンに代謝されます。
ウイルスと感染患者のリン酸化酵素によってヘルペスウイルスの増殖に不可欠なヌクレオシド3リン酸と類似構造を有するアシクロビル3リン酸に生合成されると共に代替結合します。
これによりヘルペスウイルスのDNA複製を阻害し、ウイルスの増殖を抑制する静的抗ウイルスDNAポリメラーゼ阻害効果を発揮します。
バルトレックスには、ヘルペスウイルスに直接作用して死滅させる医薬効果は無く、ウイルスの増殖を抑制する静的な医薬効果を示すので発症初期に服用した方が効果的とされています。

バルトレックスは、神経節で潜伏感染を続けるヘルペスウイルスに対してもウイルスDNAポリメラーゼ阻害効果があるとして、2006年より保険適用可能な治療として性病の性器ヘルペスの再発抑制治療が行われています。
再発抑制治療は、バラシクロビル力価500mgのバルトレックス1日1錠の服用を8週間から最大1年間継続する事で体内のヘルペスウイルスを約3分の1まで死滅させる効果があります。