尖圭コンジローマの代表的な症状として最も特徴的なのは感染部にイボのような腫瘍がみられるということです。
このイボのような腫瘍は男女ともにみられます。

男女ともに、典型的な尖形コンジロームの症状としては、乳頭状・鶏冠状の特徴的な形態を持つイボができるため視診で十分診断可能です。
しかし、感染してもすぐに症状が出るわけではなく数週間から数カ月後にイボのような腫瘍がで始めるようになります。
特に女性の場合、自分の性器をみる機会が多くないことから発見が遅れてしまう傾向があります。
女性が妊娠している場合、母子感染する可能性もあるため十分な注意が必要です。

尖圭コンジローマは自覚症状がイボ以外に少なく、感染に気づきにくいためしばしば重症化した後に発見されます。
かゆみや痛みはほとんどないため、イボができてなかなか気づきにくいです。
結果として、症状に気づかずに放置してしまうことが多くなります。

放置したことによって尖圭コンジローマの症状が悪化し、イボのような腫瘍がかなり大きな状態になってから歩行時の違和感で気づくことも多いです。
尖圭コンジローマの症状は、性器周辺から肛門にかけてまで全体的にみられることもあります。
症状が進行するに連れてイボのような腫瘍の数が増え、また腫瘍のサイズも大きくなる傾向があるため注意が必要です。

尖圭コンジローマの治療は大きく分けると塗り薬と手術による方法があります。
イボができている場所や大きさ、数などに応じて治療法を選択することが大切です。

塗り薬による治療の代表的な治療薬はベセルナクリームです。
クリームを塗った箇所に少しずつウイルスに対する免疫ができるようになって、その結果として尖圭コンジローマの原因となっているウイルスを消滅させることができます。
たとえイボが消えたとしてもウイルスが残っている可能性があるため、平均的に治療には8週間以上の期間が必要です。
ベセルナクリームを用いて治療を行う場合には、用法・用量を守って正しく患部に塗ることが重要となります。

軽視できないHPV(ヒトパピローマウイルス)

尖圭コンジローマはHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因となるウイルス性の性感染症です。
ヒトパピローマウイルスには様々な種類がありますが、尖圭コンジローマの場合、6型、11型のヒトパピローマウイルスが原因となって発症する性感染症です。
実際、尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルスには100種類上の型があり、このうちがんのリスクの少ない低リスク型のウイルスが尖圭コンジローマの原因となるヒトパペローマウイルスです。

このヒトパピローマウイルスは母子感染することもあるウイルスなので女性の方は特に注意する必要があります。
性行為によって性器に感染するだけではなくオーラルセックスによって口腔へ感染することもありますし、アナルセックスによって肛門に感染することもあります。
悪性のヒトパピローマウイルスが口腔に感染すると口腔がんの可能性もあるため注意が必要です。
尖圭コンジローマは自然治癒することもある良性病変ですが、ヒトパピローマウイルスの型によっては悪性化することもあります。

稀に尖圭コンジローマのイボのような腫瘍から癌化するリスクの高い高リスク型のウイルスが検出されることもあるので注意が必要です。
ヒトパピローマウイルスは小型のDNAウイルスで、約8000塩基対の2本鎖環状DNAが正二十面体のキャプシドに包まれた構造をしています。
このヒトパピローマウイルスが粘膜・皮膚の小さな傷から侵入することによって尖圭コンジローマとなります。
治療終了後もウイルスが完全に死滅するまでは再発の可能性があることから、尖圭コンジローマの特徴的な症状であるイボのような腫瘍の症状がなくなったとしても、しばらく治療を継続することが必要です。